親という二字と無筆の親は言い。この川柳は、あわれである。
「どこへ行って、何をするにしても、親という二字だけは忘れないでくれよ。」
「チャンや。親という字は一字だよ。」
「うんまあ、仮りに一字が三字であってもさ。」
この教訓は、駄目である。
クイズのヒントで「答え何文字か教えて!」「漢字だったら二文字だけどひらがなだったら五文字!」っていうノリ100回見た。
あらすじ
郵便局で出会った無筆の爺さんの話。
「私」(多分太宰)は二度罹災して津軽の兄の家に居候しています。
簡易保険やら債権売却やらでちょいちょい郵便局に行くことになり、さらに連載を持つことになって郵便局行きまくり生活になります。
爺さんの初対面の印象は「こいつ見た目からして絶対大酒飲みや!」という感じ。
そんな爺さんが払い戻し用紙の記入を私に頼んできます。
貯金通帳の名前を見ると「竹内トキ」と女性の名前が書かれています。
私は女房の通帳かと思ってましたが、実は亡くなった娘のものでした。
それから私はちょいちょい爺さんと顔を合わせるようになり 、いつも決まって用紙の記入を頼まれます。
話を聞くとやっぱり大酒飲みで引き出した400円はその日のうちに酒代に消えるそう。
ある日いつも通り私が払い戻し用紙をもらおうとしたら、「娘の保険がさがったから今日は入金のつもりでごいす。」と言われます。
ごいす!?
その日、私は何かしらが原因で急に兄の家を出て行かないといけなくなったときのために置いてあった預金を引き出しにきてました。
引き出しの理由は知り合いにウイスキー10本を譲ってもらうお礼に貯金のほとんどが必要だったからです。
二人に用事は無事に済みましたが、私が現金支払いの窓口で手渡された札束は今まさに爺さんが入金した札束そのものでした。
私は爺さんにひどくすまないような気がしました。
知り合いにお礼を渡すときも竹内トキさんの保険金でウイスキーを買うような錯覚を感じます。
数日後、ウイスキーが家にやって来て、奥さんに向かって「このウィスキイにはね、二十六歳の処女のいのちが溶け込んでいるんだよ。これを飲むと、僕の小説にもめっきり
奥さんは半分も聞かないうちに話を遮って子どもを膝に抱き上げました。
感想
最初、郵便局の払い戻し用紙が何かわからなくて内容マジで入ってこなかった。
単純に郵便局で口座からお金引き出してる認識であってます?
本人じゃないから委任状いるよなーと思って調べたら、今でも親子って証明できたら手続きできるらしい。
この時代だったらもっと緩いし普通に引き出せるかな。
爺さんのお金の使い方絶対ヤバいよ。毎回コツコツ400円ずつ使ってるのヤバいよ。
私がお笑いの有料配信1個1,200~1,500円が相場でまあ安いし買っちゃおう~を日々繰り返した結果、なんか想定より口座にお金ない?なんで??ってなってるのとほぼ一緒なんよ。
最近は1週間ごとにまとめて買ってます!
何の成果も得られてないので買い方とか関係ない。
結局お金使うか使わないかってだけですよ。じゃあ使うやん!
この爺さんともしものために置いてたお金を一気に使った太宰が対比されてるんかな。
あと最後立場交代してるっぽいのも面白いところなのかも。
最後、奥さんに爺さんの話しても信じてもらえなかったのは「二十六歳の処女のいのちが溶け込んでいるんだよ。」の部分がキモすぎるから説を推したいです。
絶対キモい小説書くやん~。
このとき連載してた「パンドラの匣」という作品もいつか読みます。まだア行読んでる段階なので2年後とかに読んでそう。
めっちゃキモかったらどうしよ。
5分で読めるので是非。
知り合いから聞いた話とかだったら面白いけど、作品として何がおもろいのかわからんかったので教えてください。