太宰・ブログ・治

太宰治の作品を基本的に五十音順に読んで感想書いたり、そんなこととは全然関係ない感想書いたりします。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『おしゃれ童子』

オシャレボーイの話です。 あらすじ 小学生のときは着物の袖口から見えるだけのシャツにもこだわっており、そのシャツの白さが目にしみて自分天使か!?って思ったりする痛い子です。 外から見えない部分からオシャレなのが真のオシャレなんですかね。 「瀟…

『おさん』

太宰夫婦をモチーフにしているであろう夫婦の話です。 妻視点で書かれているのは面白かった。 ヴィヨンの妻も妻目線やったけどちょっと違う感じ。 あらすじ 8年前に結婚して戦争が原因で夫は失業します。 戦争によってかなり苦労しましたが、妻は夫の優しさ…

『緒方氏を殺した者』

まず緒方氏って誰やねんとなりました。 緒方隆士さんのことらしいです。 初めまして。 緒方 隆士(オガタ タカシ)とは - コトバンク 緒方隆士(おがた たかし)-芥川賞候補作家|芥川賞のすべて・のようなもの 日本浪漫派のメンバーでした。 太宰も日本浪漫派…

『桜桃』

われ、山にむかいて、目を挙あぐ ――詩篇、第百二十一。 安定の聖書からの引用で始まります。 あとに続く内容が「私の助けはどこからくるのであろうか」といった内容なので、多分この作品の主人公は何かしら悩んでて助けを求めているのかなーという予想。 あ…

『黄村先生言行録』

「はじめに、黄村先生が山椒魚さんしょううおに凝こって大損をした話をお知らせしましょう。」という一文から始まる。 黄村(おうそん)先生が大損(おおぞん)するってことで、黄村は「おうそん」って読むらしい。wiki見るまで気づかなかった。 黄村先生が主人…

『黄金風景』

海の岸辺に緑なす樫かしの木、その樫の木に黄金の細き鎖のむすばれて ―プウシキン― プーシキンというロシアの文学作家からの引用から始まる。 人の作品引用すること多いな。自分の考えの補足なのか根拠にしてるのか。 アレクサンドル・プーシキン - Wikipedi…

『炎天汗談』

随想です。 原稿書いてた時期は調べたら夏っぽい。 そんな暑い日に訪ねてきた人がいますが話題がないと困った様子。 画が好きで画家の友達の作品をけなして得意顔をしていたこともあったが、こっそり自分で画を描いてみたら下手すぎて画の話はしないと決めた…

『海』

東京の三鷹で空襲にあった頃の話。短いエッセーです。 自分が死ぬのは構わないが、子ども(女の子5歳)の頭上に爆弾が落ちてしまったらこの子は海を一度も見ることなく死んでしまうのだと思うと辛くなった。 太宰自身、津軽平野の真ん中に生まれたため海を見る…

『姥捨』

これは結構有名かな。感想いっぱいあったし有名なんやろ。 さすがに姥捨て山からタイトル取ってると思う。 姥捨て山に難題型、枝折り型とかあるの初めて知った。 親が息子のために枝を折って帰り道を作ってあげているのを見て、息子が心を打たれて親を連れ帰…

『鬱屈禍』

五十音順で読んでてこの作品の1つ前に『右大臣実朝』があったんですが250ページぐらいあったから一旦飛ばしました。自分で作ったルール早めに破っておこう。 これは自分の考えを書いたエッセイになってます。いつものやつ。 最近失敗作ばっかりで 帝大新聞の…

『嘘』

男は嘘をつく事をやめて、女は慾を捨てたら、それでもう日本の新しい建設が出来ると思う。 という冒頭から始まる。 作者(?)に小学生の同級生である町の名誉職はそれは逆で「男が慾を捨て、女が嘘をつく事をやめる」と反対し、そう思った理由となる話を始める…

『ヴィヨンの妻』

この作品については名前知ってるだけあってガッツリ論文とかもあったので適当に考察も読んで感想書きます、と思ってた時期もありました。 タイトルについて ヴィヨンというのはフランスの詩人フランソワ・ヴィヨンのことです。 フランソワ・ヴィヨン 夫の大…

『陰火』

四つの短編が書かれている。別に共通点がある感じでもなかった。 陰火の意味も確認したけどタイトルにしてる理由はよくわかりません。 旧字旧仮名遣いでめちゃくちゃ読みにくかった。 陰火(インカ)とは - コトバンク 陰火のイメージ画像 四つとも感想書きま…

『井伏鱒二選集』後記

太宰治って井伏鱒二に弟子入りして小説家なったらしい。井伏鱒二も読む必要出てきてるやん。 『井伏鱒二選集』の1巻~4巻までのあとがきがまとめて載ってます。 井伏鱒二って名前は知ってるけど作品知ってたっけ?読んだことないはず。 書誌解題|太宰治自筆…

『田舎者』

15秒で読めるので全文コピペ。 私は、青森県北津軽郡というところで、生れました。今官一とは、同郷であります。彼も、なかなかの、田舎者ですが、私のさとは、彼の生れ在所より、更に十里も山奥でありますから、何をかくそう、私は、もっとひどい田舎者なの…

『一歩前進二歩退却』

進めば進むほど戻ってるやん。 作品の面白さよりもその作家の態度を気にする読者への愚痴をずっと書いてる。 作家の人間性を売っているのではなく作品を売っているのだ、ということ。 下品な作品だったとしても作り手が真面目だから真面目な話なんだ、とか。…

『一燈』

メインは8年前の皇太子殿下の御誕生日に長兄と街に出かける話。父親が亡くなったと書かれているので多分太宰自身の思い出話。 銀座はお祝いモードで大盛り上がり。みんなでバンザイしてる描写まであった。すごいな。 このように全国民の歓喜と感謝の声を聞く…

『一問一答』

誰と話しているのかよくわからないけど、インタビュー形式の一問一答。 「人間は正直で無欲でないといけない。」 ちょっと厳しいので読まなかったことにしよう。でも最終的にはここにたどり着くのか。正直な人はわかるけど無欲な人おる? ソシャゲのガチャで…

『一日の労苦』

一日の労苦は一日にして足れり 名言ナビ - 明日のことを思い煩うなかれ。明日のことは明日思い煩 明日のことを思い煩うなかれ。|新約聖書 マタイによる福音書第6章34節 マタイによる福音書(口語訳) - Wikisource という言葉を思い出しそのままタイトルに。ま…

『老ハイデルベルヒ』

アルトハイデルベルヒって読む。読めない。はじめなんでア行に存在してるのかわからなくて編集の人ミスったかと思った。 「アルト・ハイデルベルク」という戯曲があって「古き(良き)ハイデルベルヒ」という意味。「老」はドイツ語で「アルト」って読む。完全…

『或る忠告』

或る詩人が私の家にやってきて忠告する話。短い。 シンプルに「調子乗るなよ!」って言われてる。 作品としては短いけど、2,3ページ分使って忠告されるのマジでやられたらめちゃくちゃへこむと思う。 最後「~と或る詩人が、私の家に来て私に向かって言いま…

『兄たち』

『愛と美について』にみたいな兄弟の話。 一人っ子なので兄弟がいる感覚は一生わからない。年齢の近い兄弟と離れた兄弟とか自分が長男長女、末っ子とか色々なパターンがあるので兄弟がいる人同士でも感覚は全然違うのかな。 父が亡くなったとき、太宰の3人の…

『新しい形の個人主義』

尋常じゃないぐらい短いので丸ごとコピペ。 所謂社会主義の世の中になるのは、それは当り前の事と思わなければならぬ。民主々義とは云っても、それは社会民主々義の事であって、昔の思想と違っている事を知らなければならぬ。倫理に於いても、新しい形の個人…

『あさましきもの』

品性が卑しい。さもしい。 下劣だ見苦しく情けない。嘆かわしい。 浅ましい(あさましい)の意味 - goo国語辞書 枕草子的ノリで3つの「あさましい」ちょっとした話が展開される。 枕草子であさましいとされていたのは下のサイト見てください。 『枕草子』の…

『朝』

朝です。明日学校、仕事行きたくないから朝来ないでほしいな。寝なかったら朝来ないんじゃないかなと思って夜更かししたりするよね! あらすじ 私は家族に内緒にしている仕事部屋がある。その部屋は女の人の部屋である。愛人とかではなくその女性のお母さん…

『青森』

随想。随想と随筆の違いがわからなくて調べたらわからなかった。 随想 折にふれて思うこと。また、それらを書きまとめた文章。「随想録」 随想(ずいそう)の意味 - goo国語辞書 随筆 自己の見聞・体験・感想などを、筆に任せて自由な形式で書いた文章。随想…

『愛と美について』

この作品ネットで検索してもあんまり感想なかったよ。 退屈なときに5人兄妹で物語を連作するっていう話。どんな兄妹!???それぞれキャラ付けされてたので以下で全員紹介します。みんなロマンス好きらしい。 長男 29歳。法学士。今は「固く一家を守ってい…

『I can speak』

「自分の文学のすすむべき路」に気づき長い小説を書くために東京から御坂(山梨県)に移動。とりあえず百枚書いてそこそこ出来がよかったのでこれを完成させるまでは東京に帰らないぞ!って自分自身に約束する。 なんでやねん。東京でも書けるやろ。 御坂の冬…

『ア、秋』

冒頭は「秋」をお題にどんな詩を書くか?みたいなこと書いてた。「ア」という音から連想する言葉(赤、青、愛など)のノートがそれぞれあって「アキ」というノートからさらに連想して言葉を紡ぐ、というイメージ。 基本ずっと秋のことについて語ってた。「秋は…