太宰治って井伏鱒二に弟子入りして小説家なったらしい。井伏鱒二も読む必要出てきてるやん。
『井伏鱒二選集』の1巻~4巻までのあとがきがまとめて載ってます。
井伏鱒二って名前は知ってるけど作品知ってたっけ?読んだことないはず。
あとがきと言いつつ井伏の作品の話より井伏との思い出話が色々書かれてます。
自分が井伏さんの作品について評価するなんておこがましいっていうオタクっぽい理由です。
- 第一巻
太宰が14歳のときに同人雑誌で「山椒魚」を読み、天才無名作家発掘したったわ!となる。この作品は当時特に評価されなかったけど。人の作品鑑賞においては自信あったらしい。普通に書く方の才能もめちゃくちゃあるやろ。
高等学校に入った頃、井伏の作品から生活が貧しそうだと察して少額のお金を送ると丁寧な返事が返ってきて有頂天になる。推しのATMにお金振り込みたいとかよく聞くけどそれよりヤバいやろ。
大学生になってから井伏の家を訪ねて弟子入り。
古参のガチヤバオタクの話でした。
- 第二巻
この巻は『青ヶ島大概記』を中心に引き続き昔の話。井伏鱒二調べてたら盗作疑惑の話がよく出てくる。パクリじゃなくてオマージュなんでって言うことで乗り切ったらいいよ。
井伏が青ヶ島大概記を谷崎潤一郎に褒められて喜んでいるのを見て太宰は不満だった。太宰はヤンデレなんか。
酔っ払って友人に「おれは、勉強しだいでは、谷崎潤一郎には成れるけれども、井伏鱒二には成れない。」と言ったことがあるみたいなのですごい尊敬してたんだなと思った。
井伏の小説を将棋に例える話がありましたが将棋知らないのでニュアンスしかわかりませんでした。求心力がすごいらしい。ダイソンみたいな。
- 第三巻
井伏の下宿時代の話。
井伏本人は「早稲田界隈」を嫌いと言っていたが、太宰からすると井伏ほど哀しい愛着 を持った人はいなかった。
井伏が歩いてると早稲田の後輩が呑み代をおごって欲しそうにぞろぞろついてきたときの井伏の不安な表情を忘れることができない。
どう見てもお金ない先輩におごってもらおうとするのやめよう!
- 第四巻
井伏と旅行の話。
旅行上手と旅行下手の差は目的地に着くまでの乗り物に乗っている時間を楽しむか少なくともあきらめて状況を受け入れられるかどうからしい。
あと力の入れ具合がうまいかとか。
井伏は旅の名人である、と書いてあった。人生を旅に例えていたので生き方もうまいと思ってたのかも。
本当に思い出話しか書いてなかったけど井伏のこと好きなのはわかりました。
写真あった。井伏さん左?後ろ誰?