太宰・ブログ・治

太宰治の作品を基本的に五十音順に読んで感想書いたり、そんなこととは全然関係ない感想書いたりします。

『コンビニ人間』

芥川賞受賞作。

純文学と大衆文学の違いが言葉の意味でしかわからない。純文学って尖ってるイメージ。

 

あらすじ確認するためにWikipedia見たら最初からオチまで全部書いてた。たまにあるやつ。削除要請とかしないのかな。

「普通」とは何か?

現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作

 

36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。

日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、

「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。

 

「いらっしゃいませー!!」

お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。

 

ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、

そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。

 

 

読んでる途中でとても気分が悪くなってキッツい!ってなったりした。不快という意味ではなく。勝手に読んで勝手に苦しんでた。

自分は普通みたいな顔をして社会人やってるけど、普通じゃない部分バレたらこの主人公のようになるかもしれない。

 

白羽の意見は極端すぎるけど自分の普段から考えてることの延長線上にあるかも。古倉さんが淡々と返してくれるおかげでリズムいい会話になってて笑った。普通そうはならんやろ。ただここで普通ならんやろっていう自分の人を排除しようとする意識が出てしまってるかも。

自分も自分の中に"普通"という概念を持っててそっからズレてたら変な人だなあと思ってしまうんだなあ。客観的に見たら古倉さんの周りの普通を押し付けてくる人たちはしょうもない人だなと思った。自分のその中の1人になってる。

 

古倉さんは白羽の言いなりになって就職の面談に向かうところまで進みましたが、結局はコンビニに戻る結末でした。それだけ自分に合ってる場所見つけられてるのはかなり羨ましいと思う人もたくさんいそう。

このまま就職したら嫌だな〜と思って読んでたのでちょっと安心した。その後白羽とはどうなったんだろう。

 

コンビニバイトへの解像度高いな、と思ってたら作者さんはコンビニバイトしてたらしい。今もしてるのかは知らないけど少なくともこの作品書いてるときはやってたっぽい。やること多くて大変そうだ。

 

人が無駄に社会性を身につけたせいで就職や結婚によって社会とつながるという訳わからんことになってるのでどうにかしてください!

 

こんなにタイトル通りなことあるのかというコンビニ人間の話でした。自分で働いたお金で生活してても周りにごちゃごちゃ言われるのキツい。“普通“の人が読んだら主人公や白羽のこと気持ち悪いと思うんだろうね。

色々気になるシーンあったけど、普段の会話からコンビニの声量になってたりする場面が1番心臓ギュッてなりました。

ページ数に対する心臓ギュッポイントの多さがすごかったよ。