太宰・ブログ・治

太宰治の作品を基本的に五十音順に読んで感想書いたり、そんなこととは全然関係ない感想書いたりします。

『I can speak』

「自分の文学のすすむべき路」に気づき長い小説を書くために東京から御坂(山梨県)に移動。とりあえず百枚書いてそこそこ出来がよかったのでこれを完成させるまでは東京に帰らないぞ!って自分自身に約束する。
なんでやねん。東京でも書けるやろ。

 

 

御坂の冬が寒すぎて東京帰りたくなるけど自分が決めた約束が自分を縛ってるので帰れない。
かわいそう。今やったらエアコンとかヒーターとかええやつあるのにね。
約束どころか「破戒」という言葉まで使ってた。人生苦労しそう。
なぜか一旦甲府に避難。東京より温かいらしい。また仕事を進める。

 

 

ここで近くの製紙工場の女工さんたちの唄を聞いて癒される。そのなかでもいい声の女工さんがいたそうでめちゃくちゃ心惹かれる。投文してお礼したいと思ったけど女工さんに引かれて唄が濁ると困るのでそこまではしない。「恋、かも知れなかった。」
女子高生ぐらい恋してるな!!!

 

 

2月、工場の小路から酔った男(女工さんの弟)の荒い言葉が聞こえる。ここの男のセリフは口に出して読みたい感じでリズム良かった。BLEACHの敵キャラぐらい声に出して読みたい。(例:グリムジョー・シャガージャック)

 


こっそり夜学に通って出征のために勉強してる!「〜I can speak English. Can you speak English? Yes,I can. いいなあ、英語って奴は。〜」の部分英語しゃべれないやつのセリフやん!って思ってた。

 

 

この男のお姉さんがあのいい声の人かどうかは知らん。多分違うと思うっていう軽い笑いオチに入れてましたわ。

 

 

弟のI can speakという英語から「はじめに言葉ありき。よろずのもの、これに拠りて成る」という歌を思い出したような気がしたらしい。気がしたって言うけど絶対思い出してるやん。
これめちゃくちゃ聞いたことあるなと思ってたらヨハネによる福音書の冒頭やった。太宰聖書読んでたん?もう私と友達やん。
調べたらキリスト教の影響受けてるとかどうとか。友達やん。

 

 

この話太宰治自身のことかどうかわからないらしいけど、本人のことやったら御坂行った時期は新しい奥さんいたらしい。令和の時代やったら奥さんにTwitterで悪口漫画描かれてバズってそうですね。

 

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