『愛と美について』にみたいな兄弟の話。
一人っ子なので兄弟がいる感覚は一生わからない。年齢の近い兄弟と離れた兄弟とか自分が長男長女、末っ子とか色々なパターンがあるので兄弟がいる人同士でも感覚は全然違うのかな。
父が亡くなったとき、太宰の3人の兄たちはそれぞれ25歳、23歳、20歳で太宰は14歳であった。年齢が離れているので長兄を父、次兄を伯父さんのように思い、甘えてばかりいた。
長兄が30歳のときに三男編集で「青んぼ」という同人誌を発行することになる。
文学ガチ兄弟や。この時代は作った同人誌は雑誌に載せるのかな。お金かかりそう。今はコミケとかあるけど。
- 長兄
25歳で町長、31歳で県会議員になる。周りからはA県の近衛公とされ、漫画なども出て人気があった。
政治家の漫画ってどういう内容???吉村知事の漫画とか私が知らないだけで書いてる人いる??長兄の夢小説とかあったんかな。怖いですね。
長兄は周りから期待されてたが、いつも暗い気持ちだった。戯曲が好きで自信でも書いて弟妹たちに読み聞かせていた。内容は宿命の悲しさをテーマにしていることが多いと感じていた。
「青んぼ」には「めし」という随筆を発表。口頭筆記をした太宰はその随筆から兄のほんとうの淋しさは誰も知らないのだと感じた。
自己投影して作品書くタイプですね。悩みのレベルが高すぎて何も言えない。なんかかわいそう。
- 次兄
同人誌の創刊号には何も発表しなかったが、谷崎潤一郎の愛読者。古参。
謙虚で真面目。親分気質で豪快。
多分いいやつ。これぐらいしか書かれてなかったから多分普通にいいやつ。
- 三男
この作品半分以上三男について書いてるからこの人がメイン。
一番太宰と仲良かったのかな。上の兄2人は父の代わりに家のこと守ることに努力してたようなので。
身体が弱くて28歳で亡くなる。顔が不思議なくらい美しい。
これから「イケメン」とか「顔がいい」じゃなくて「不思議なくらい美しい」って言うようにします。引かないでください。
むやみやたらに人を軽蔑し、孤高を装っている。
いくつかエピソードがあって結構面白い。個人的には生まれたっばかりの姪に「なんだ、まだ赤いじゃないか、気味が悪い」って悪口言ってたのあまりも理不尽で面白いと思った。
あと太宰と銀座を歩きながら「あっ、菊池寛だ。」と小さく叫んで太ったおじいさんを指さすのもよかった。太宰はこの後本物の菊池寛に会って三男が嘘ついてたって知ることができたらしい。
今みたいに画像検索とかできないから普通に騙されそう。阪急梅田で見取り図の盛山さんに似過ぎてる人見たことあるけどあれはどっちなんでしょう。
なんにも作品残さなかったけれど、それでも水際立って一流の芸術家だったお兄さん。世界で一ばんの美貌を持っていたくせに、ちっとも女に好かれなかったお兄さん。
これめっちゃ良くない!??
三男は亡くなったのはめっちゃ悲しかったけど肉親が亡くなることは自分の特権じゃなくて読者にも起こることなのですまない気がする、と書いてあった。
そこまで気にしなくていいのに。ええやつやな。
年の離れた兄弟は親子に近いイメージあるけどどうなんでしょうか。
最近BLEACHばっかり観てるので一護の印象強いだけかも。
最後マジで良かったので読んでください。10分ぐらいで読める。